今日は4月1日ですね。

新たなにスタートをされた方。

再スタートをきられる方。

今日は何かを始める区切りの良い日ですね。

皆さんは、どんなスタートをきられましたか。

 

そんなスタートの日に前回の続きである後悔の話は、なんか後ろ向きのように感じますが、以前にもお話しをしましたヒャルト・フォン・ワイツゼッカー元ドイツ大統領の「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる」と訴えたようにスタートの時だからこそ、もう一度振り返って考えることも大切かと思い後悔の話をつぶやこうかと思います。

 

首都圏に住む叔父は、私にとっては、親戚中の中でたった一人のハゲ仲間。

家族も妹たちもみんな毛が濃く硬いのに、なぜか叔父と私は同じ薄毛。

 

同じところは他にもある。

同じ高校出身で、性格も態度も母(叔父とは兄と妹の関係)から言わせればよく似ていると昔言われた記憶がある。

 

そんな叔父といとこの結婚式で一緒になった。

都心部に住む叔父とはそんなに毎回会えるわけではないので、ハゲで目つきが鋭く、しかも声が低い叔父は、ちょっと強面に見えるので、最初に話をするのに勇気が必要。

 

そんな伯父と披露宴までの合間でトイレでと一緒になる。

その時、叔父から「君はどんな仕事をしたいんだい」と大学生の私に質問。

私は、福祉の仕事やソーシャルワーカーの仕事の話をしました。

すると、叔父は「なるほど、菩薩行だな」と言ってトイレを出て行きました。

 

菩薩行だなって、別に仏門の道に進むわけではないのだけども?。

何か聞き違えているような気がして、披露宴の余興の時間にその意味をもう一度聞きに行きました。

すると叔父は「菩薩行って言ったのは、菩薩さんみたいな仕事という意味なんだよ」と。

「自分の身を人のために捧げ、決して見返りを求めない。そんな仕事なんだなぁと思ったんだよ」と。

 

菩薩行か?。

古風な言い方だなぁと思いつつ、強面の叔父からの言葉に未だその仕事に就いていない自分の姿を想像しては「菩薩行か~」と自身の夢を誉められたように嬉しかった。

 

当時、ソーシャルワーカーの仕事も就職先も少なく、何枚も履歴書を書いては送り、また届けまくっていた事を思い出します。

 

そんな叔父がこの初春に他界しました。

仕事をするようになり、様々な出来事や意見の相違もありました。

叔父に酷い物言いもしました。

そんなこともあり、ちょっと後ろめたさを感じていたこともあり機会がないと顔を合わせることも少なくなっていました。

 

そうした中での訃報。

 

叔父は、病院のベッドに上で、意識がもうろうとしながら言葉にならないうわごとを話していたそうで、ペンを持たせると「うちに帰りたい」と書いたとのこと…。

 

祖父の時には、お詫びを。

そして、叔父に時には感謝の言葉を伝えることができなかった。

 

私は何度後悔をすればいいのだろう・・・。

 

そして、自身の問題・・・。

私事ですが、私の子どもが進学。

新しい生活を県外で始めることになった。

引越し先を探しに行くことも、引越しの準備に部屋の掃除。

仕事・仕事で、何にもしてあげていない私。

 

空っぽになっていく部屋を見ながら、仕事優先で子どもにため何もしていなかった後悔。

家を出ていく数日間、仕事を終えてから深夜に普段と変わらずに会話を交わす。

何も言えなかった私は、引越し先のアパートに子どもへのお詫びの手紙を置いてきた。

 

後悔先に立たず。まさにその通り。

 

今やっている仕事は何のための仕事だったのだろう…。

外では、精一杯対応してきても自分の事は、なにも出来ていない。

もっと、やれることがあったのではないか・・・。

 

後悔することばかり。

ダメな父親だと反省・・・。

 

介護相談をしていると、後になって介護者家族も後悔されていることが多いことに気づかされる。

 

私が、なぜ家族支援に力を入れて向き合おうとするのか…。

介護者家族に後悔をして欲しくないから…。

本人の思いを脇に置いてしまった行為が、結局は介護者の後悔に繋がる可能性があるから・・・。

 

大変な時には、後悔なんて考える余裕もない。

先々の課題よりも、目の前の苦しみが優先されるのは当たり前のこと。

だからこそ、私たち専門職は目の前の課題への対応と同時に、この先に起こりうる課題を分析し、相談や支援を行っていく事なのだと思うのです。

 

後悔は、本当に切ないものです。

そして後悔は後になってやってきて、それを取り返したくても取り返すことが難しい事の方が多い。

 

私たちのしなければならないことは、その後悔をしないように1つひとつの課題を整理し支えていくことなのだと思うのです。

 

後悔を知るものとして、同じ苦しみを味わうことのないように・・・。

強く強く思うのでした。