心のマイナス感情の怖さとその先の後悔
前回は、私事のお話しをさせていただきました。
今回は、家族支援についてをつなげてお話しをします。
陽性の思い出と陰性の思い出のお話しをしましたが、誰もが、何らかの陽性の思い出はあるかと思います。
しかし、いったん陰性の思い出が出てくると、それに押し込まれるように陽性の思い出はつぶれて思い出せなくなってしまう。
どうしてそうなってしまうのだろう…。
陽性と陰性
この言葉、ブラス思考や感情とマイナス思考や感情と言った方がいいですね。
より感情的な言い方をすれば、楽しかったこと、してもらったことや愛されたこと。大切にしてもらったことなどの陽性(ブラスの感情)と、不公平感や憎悪、怒りや寂しさなどの陰性(マイナス感情)の思い出。
人は、どうもブラス感情の思い出よりもマイナス感情の思い出の方が心に残っていくように見える。
人は、怒りや憎悪の感情の方が強いのか…。
指輪物語においても映画スターウォーズ episode3においても、怒りや憎悪によって大切な人さえ傷つけ、失っていく姿が表されています。
しかもスターウォーズepisode3では、自分の思い違いや支えてもらったことを怒りや憎悪によって、大切な人が自分に寄せてくれていた優しさや愛情が見えなくなってしまった結果、大切なものを失ってしまう。
人は、怒りや憎悪の感情に落ちやすく、それによって失うものは多く、怒りや憎悪の悪夢から覚めたとき、大きな後悔ととりかえしのつかない喪失に包まれてしまう。
怒りや憎悪は、相手を傷つけるだけでなく、自分自身をも傷ついていくものなのです。
過去、私自身もそうだった。
失ってからでないと気づけないのが悔しい。
そうなってしまうと、自分を否定したり、人と関わることが怖くなったり、人を遠ざけて生きたくなったり。
人によっては、どうせ自分は…と、自暴自棄になり、希望を持った生き方さえできなくなってしまうことも。
人間不信は、人に向けると暴力になり、自分に向けると無気力になる。
以前もこんな言葉を書き記していたかと思います。
怒りや憎悪の感情など、否定的な感情は、いきつくと、こんな想いに支配されていってしまうのか…。
そうした感情のせいで、大切な時間を不意にしていまうなんて、なんともったいないことか。
人は、別れ際にやっと相手の気持ちがわかるのかもしれない。
親父との別れもそうだった。
最期に親父と語れた1週間がなければ、それを支えてくれた人がいなかったら、たぶん後悔だげ残ったのかもしれない。
いや、親父の思いさえ知らないままの心の淋しい自分になっていたのかもしれない。
そんな後悔の想いをさせては、絶対にいけない。
そうさせてもいけないのだと強く思う。
そこが、介護者家族の支援において、私がどうしても大切にしておきたいところであり、譲れないところなのです。
それは普段の生活の中でのひとりとして。
そして、専門職である私がしなければならないことなのだと思っています。
この怒りや憎悪をどうやって乗り越えていくのか。
それは、語りきっていくことが大切になってくる。
語りきる。
今の想いを、自身の心のままに語っていくことが大切になってくる。
そして、私たちはその想いを共有し理解を示していく。
それは、共感と言ってもいいかもしれない。
そして、その先に相手を大切に想う心を沸きいだす支援をしていく…。
では、どのように介護者を支援していくのか。
次回、この続きをもう少しお話をしてみたいと思います。
続きは、次回に…。