一つ飛びになってしまいましたが、祖父の話をしておきます。
祖父は91歳で他界しましたが、床に伏せるギリギリまで板前として現役。
とにかく“職人”これに尽きる人でした。
一本気。思ったことは口にする。
よく似た性格と自分でも自負するくらい祖父の後を歩いているような私。
お客さんが見えたらそば屋はここ!という場所を祖父から教わっていまして、確かにおいしい場所でお客さん用の値段(高いかなぁ…という場所)
ほぼ1年前の話になるのですが、そのお店におそばを食べに行きました。
そのお店は、親子3代でやっているのかな…80歳を過ぎたおばあさんとその娘?嫁?とその娘?の女性3人で注文とってからそばを切って茹でるという場所。
(祖父が選ぶ場所はそういう場所だ)
時々食べに伺うのですが、お客さんが多いので祖父から紹介されたとは言えず、そのままでいたのですが、このときはお客さんがほとんどいませんでした。
そこで、「ごちそうさまでした。実は、ここはもう亡くなった板前だった爺さんから教えてもらって来たんです」と話すと80歳の店主は「どなたかしら?」と。
私は「いや~ご存じないかと思います」と答えると「でも、教えてください」とおっしゃるので、私は名前を言うと「え!あの方のお孫さんですか」「私、あこがれるというか、すてきな人だなぁ。すごい人だなぁと思っていた人です」「もう亡くなられたんですね…」と。
私は「ご存じなのですか」とお聞きすると、あるエピソードを話してくださいました。
ある調理師の研修でのこと。
前列に座るベテラン調理師が、講師が話しているのにたばこを吸いながらとても受講態度ではなかった。
誰もが「失礼だ」とは思っていたが、その人たちには注意をしなかった。
しかし、その姿を祖父は見て、「あなたたちは、先生に失礼ではないか!」と注意をしたそうです。
「周りの人はとてもスッキリしたんです。それ以来、私はあの方のファンになったのです」と話してくださいました。
なんだか自分を見ているようで、そして間違いなく祖父の血をひいているんだと・・・。
人に迷惑をかけるような間違ったことは大嫌い。
祖父らしい人でした。
その祖父が亡くなった日が近くなってきた。
あの日は自分にとって大きな大きな出来事であり後悔の日。